2015年1月6日火曜日

漫画日本の歴史の101人



先日、朝日新聞の広告で、日本の歴史の漫画の宣伝を目にした。
朝日新聞出版による、週刊マンガ日本史改訂版。
http://publications.asahi.com/manga/

日本の歴史の偉人101人を漫画で描く企画で、これだけなら昔からあり、私も子供の頃随分お世話になったものだ。

しかし、この企画で目を引くのは、それを描く漫画家たちだ。私がわかるだけでも、和月伸宏(るろうに剣心)、二ノ宮知子(のだめカンタービレ)、池田理代子(ベルサイユのばら)、里中満智子(天上の虹)など。少年漫画に詳しい人だったら、作家のラインアップだけで目を奪われるだろう。のだめカンタービレの作者が描く額田王、なかなか面白そうではないか。

さて、選ばれた日本史の偉人101人の顔ぶれはといえば、ありきたりのようでそうでない。
淀君ではなく、選ばれたのはお江。黒田官兵衛や篤姫にしても、NHKの大河ドラマの影響を受けすぎではないだろうか。

雷電為右衛門って誰?と思ったのは私だけではないはず。お相撲さんらしいが、そんなに重要かしらん。柳生宗矩も知らなかった。その時代なら、徳川光圀や保科正之のほうが重要だと思うのだけど。日野富子ではなく、足利義政が選ばれたのは残念。ただでさえ女性は少ないのに。人物でもないのにひめゆり学徒隊が名を連ねているのは、まんべんなく地方を網羅するための苦肉の策だろうか。日本史の偉人101人に近藤勇と土方歳三の両方が名を連ねているのも納得し難い。どちらか一人で十分だろう。

一方で、よくぞ選んでくれました!と朝日新聞に拍手したくなる人物もいる。渋沢栄一、南方熊楠、杉原千畝、田中正造、津田梅子。そしてきわめつけがシャクシャイン。

シャクシャインを知っている日本人はどれだけいるだろう。以前、少数民族のことを調べる機会があってこの人物のことを知り、学校では教わらない日本の黒歴史に愕然とした。

シャクシャインはアイヌの英雄である。松前藩の抑圧に対しアイヌ民族を率いて反乱を起こし、松前藩からの和睦の誘いにのり、その和睦の会議の席で謀殺された。教科書には多分意図的に書かれていない、日本の黒歴史。アイヌ民族に関する日本の歴史は、汚く、醜い。これが自分の国の歴史だと思いたくなくなるほど。しかし、北方領土を日本の領土というのならば、アイヌ民族の英雄である彼のことも日本人としては知っておきたい。

同じ理由で、琉球王朝からの偉人も含めるべきだと思う。日本の中に過去あった外国、それが琉球だ。ともすれば、沖縄戦で初めて日本史に登場するかのような印象の沖縄県。沖縄には日本となる前から誇るべき歴史があるというのに。琉球王国や、琉球処分について学校の授業で教わった記憶はない。しかし、北海道から沖縄までの日本ならば、大和民族だけではなくアイヌや琉球の歴史も教えるべきではないのか、と思う。

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