2013年12月8日日曜日

日本人でよかった



おいしい寿司を食べるとき、満開の桜を見るとき、美しい歌を聴いたとき・・・「日本人でよかった」と思う瞬間は人によって違うと思うが、海外に住んでいる私の場合、日本人であることのよさを痛感するとき、それは外国に行くときのビザ準備の簡単さだ。

ほとんどの国において、日本人にはビザが必要ない。その簡単さといったら、日本人というだけで特権階級にいるような気分にさえなってしまう。同僚のインドネシア人やネパール人などを見ていると、本当に大変そうだなあ、と思う。外国に行くというだけで数週間前から色々書類を用意し、前もってパスポートを領事館に送り、お金を払う。それでも、発展途上国から先進国に行くような場合はなかなかビザが下りず、結局予定を断念しなければいけないこともある。

一方、日本人がビザを取らなくてはいけない国はそんなにない。日本と同じくらい国際的信用の高いアメリカ人やEUでさえ、中国にはビザが必要だが、日本人はこれも免除。インドには到着時に簡単な手続きをするだけで済む。これも、アメリカ人、ヨーロッパ人はビザが必要だ。何て素晴らしい日本パスポート。

しかしこの特権に慣れすぎて、却ってひやっとする場面も何回かあった。海外旅行時はビザの必要の有無をチェックするという常識がいつまでたっても身につかないのだ。

パプアニューギニアに行く前、思い出してビザの必要の有無を確認したのは出発1日前。到着時ビザがとれるということで助かった。インドに行った時は、到着時にビザが取れるということを確認し安心していたら、窓口でパスポート用写真が必要と言われ、冷や汗を書いた。結局パスポートの写真をコピーしてもらって何とかやり過ごした。

半年ほど前、アメリカに行く時は当然ビザなんて必要ないものと思っていたら、空港のチェックインカウンターで提示を求められ、大いに焦った。過去に何度もアメリカには行っているから大丈夫などと甘く見ていたら、いつの間にかルールが変わり、ESTAというオンライン登録が必要となっていたのだ。航空会社の事務所で登録を済ませ、何とか出発できた。

そして今回、初のオーストラリア。これも日本人観光客が多く行くメジャーな国と、ビザなんて完全に頭から抜け落ちていた。そして、やっと思い出し、チェックしたのは出発の4時間前。インターネットで、「オーストラリアは日本人が多く旅行に行く国で、ビザを必要とする数少ない国です」というのを見て凍りついた。え?もしかして行けない?頭はパニック。どうしよう、どうやって謝ったらいいものか、すでに言い訳を考え始めている。こんなときはいつも母の声が頭に響く。「どうしてあなたって子はいつも直前まで準備しないの!!!」いや、いつもちゃんと準備はしているんです。ただ、準備に大穴があいているってだけで。 

結局オーストラリアのビザとは、アメリカと同様、オンラインでの事前登録とわかり、一息ついた。本当に心臓に悪い。

「よくあなたみたいに抜けた子が海外渡り歩いてるわっていつも思うわ」
そりゃあ、それが出来るのは日本人っていう便利な身分のお陰です。本当に日本人でよかった。日本万歳。外務省の皆さんどうもありがとう。是非これからも仕事を頑張ってもっとビザなしで行ける国を増やしてください。どうぞよろしく。


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