2013年9月17日火曜日

夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)



この本を読んだのは、山本周五郎賞受賞作、本屋大賞2位と聞いたからだった。今までの経験では、直木賞よりも山本周五郎賞のほうが私の好みには合っているような気がする。果たして、その内容とは言えば、奇妙奇天烈摩訶不思議恋愛コメディーファンタジーとでも言うべきか。これは一体どういうジャンルになるのだろう。

舞台は一応現代の京都なのだろうか。しかし、全くの異世界と思ったほうがいいかもしれない。突然現れる3階建ての車、古本の紙に風の神、錦鯉を運ぶ竜巻にりんごやだるまがそこここから降ってくる。携帯が登場する割には小道具は純和風で、表現や文体からも対象、昭和初期の時代が匂ってくる。登場人物も特異な、というか変人ばかりだ。主人公の思い人も純情可憐な乙女と言うことになっているが、今の時代どんな箱入り娘でも絶対こうはならない。完全に時代と空間を超越した、天然不思議ちゃんだ。脇役のまた強烈なこと。一目惚れした相手に会うまで決してパンツは脱がないというパンツ総番長、その恋の相手と言えば、やはりパンツ総番長に会うために象の尻を学園祭に出展する。通りすがりの男のパンツを奪うのが趣味な悪徳金貸し。

この本は、あらすじがどうこうといってもしょうがないきがする。ハチャメチャな雰囲気、世界観が売りなのだろう。ただ、本やストーリーに意味を求めてしまう私にはどうもあまり馴染めなかったが・・・。ただ、このハチャメチャな世界を作り上げる想像力と筆力には感心した。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿