2013年4月8日月曜日

海賊が跋扈するインドネシア



インドネシアでは海賊が跋扈している。といっても、本物の海賊ではない。海賊版のことだ。インドネシアでも映画やドラマは庶民の娯楽No.1だ。しかもその内容はかなり国際的で、ハリウッドの映画はもちろん、日本・韓国・中国の東アジアのドラマや映画も人気だ。テレビで流れているインドネシアの国産ドラマをのぞけば、映画やドラマはもっぱら海外のものが優勢だ。音楽はさすがに言葉のわかる、国産のものが人気だが、それでもアメリカや東アジアからの音楽もかなり入っている。日本で洋楽を聞く頻度よりも、むしろ多い気がする。

当然CDDVDの需要は高い。何しろ、日本やアメリカのように映画館というものがそんなにない。映画館はつい最近クタに3Dも見られるような最新式のものがオープンしたらしいが、その前はやはりクタにある、モール、バリ・ギャラリアの中にあるものだけだった。インターネットも一般庶民にはそれほど浸透していないので、ダウンロードよりも、やはり昔ながらのCDDVDを購入することになる。

CDDVDはどこでも売っているが、全て海賊版である。正規のものを見たことがない。DVDCDの専門店で売られているのも、全て海賊版だ。何しろ、正規のものが売られているところを知らないし、売られているのを見たことがない。海賊版は、映画・ドラマの宣伝や内容が書かれた紙に包まれ、透明なビニールの袋に入れられ、一枚1万ルピア(約100円)なり。専門店に行かなくても、私の近所の、庶民的レストランが軒を連ねるところでは、最新のDVDCDを持ち歩き、食べている客に見せて売り歩く売り子がいる。私も買わなくても、食べている間に品ぞろいを見せてもらい、こんなものが最近は流行っているのね、なんて情報を仕入れたりする。

しかし海賊版だけあって、質は全然信用できない。基本的には正規のDVDと同じで、メニュー、言語メニューや特典はそのままだったりするが、全然見られなかったり、途中で止まってしまったり(これが一番腹が立つ)する。最初から海賊版なので文句も言えない。正規のものを買えばいいじゃないか、と思うだろうが、どこでも正規のものは見つからないのだから困ってしまう。まあ、正規のものだったら海賊版の10倍の値段はするだろうから、インドネシアでは商売が成り立たないだろうが。

著作権の無法地帯、インドネシア。改善される日は来るのだろうか。

近所のレストランで、売り子が運んできたDVD。
もちろん、全て海賊版だ。

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