2013年8月25日日曜日

インドネシアテレビどたばた記



私はテレビを見ない。昔からそれほど見るほうではなかったが、大学で海外に留学し、テレビのない寮に入ってから、すっかりテレビがないことのほうが普通になってしまった。だから、前に家具付のアパートに住んでいた時もテレビはあったけれど見なかった。それなのに、1年と3ヶ月ほど前、家具なしの部屋に引っ越してきてから、テレビを買ったのは、やはり間違いだったと思う。

もともと、テレビは何にもない部屋に入居するのに買わなければいけないもののリストには含まれてなかった。しかし、しばらくして、エアコンと同時に買ったのは、やはりテレビを見たほうがいいだろう、いや、ニュースを知るためにもっとテレビを見ようと決心したからだった。テレビを見ないため、私はひどく世情に疎い。最新のニュースをまるで知らない。社会人としてどうか、というレベルである。同僚の話についていけず、恥ずかしい思いをしたことがあったので、多少高い出費になるが、思い切ってテレビを買ったのだ。

しかし、店の人にテレビを設置してもらったはいいが、実際につけると、画面が映らない。困っていたところに、表に出してあったテレビの箱を見て、「お、テレビ買ったの?」と隣の人が顔を出してくれた。待っていましたとばかり、テレビが映らないことを訴えると、一言。「そりゃあ、アンテナつながないと見られないよ。アンテナは買った?」

え?アンテナ?それって店の人が自動的にやってくれるものじゃないの?自分でやるものなの?聞けば、電器屋さんで、アンテナとケーブルが買えるらしい。テレビを買ったときに、教えてくれなかった電器屋に腹を立てながら、元の店に行って、言われたとおり買ってきた。「どのケーブルがいい?」と聞かれてもわからないので、すべては店の人の言うままに。

さて、買ってきたはいいものの、どうやってつなげればいいのだろう?またもや隣の人に泣きついた。梯子もないので、高いところには付けられない。どこからかもってきた竹の棒にアンテナをくくりつけ、何とかテレビが映るようになったはいいが、やはり低い位置にあるのでシグナルが悪いのか、映像が悪い。せっかく隣人の活躍で見られるようになったテレビだが、あまりの画像の悪さにあまり見るきがしなかった。そして10日後には、竹の棒に付けたアンテナが落ち、まったく見られなくなってしまった。直すのも面倒くさく、テレビはその後半年近く放置され、全くの無用の長物と化してしまったのである。

そこに、インドネシアでもNHKが見られると聞いたのは、半年以上前のことだった。海外のチャンネルも多く含むサービスパッケージがあるらしい。興味をもったはいいが、私の中でテレビ関係のことの優先順位は低い。実際に行動に移し、申し込んだのは2ヶ月ほど前のことだった。申し込めば、専門の人が来て、アンテナもお任せで設置してくれると聞き、大喜びだった。自分でアンテナつけるのは、勘弁して欲しい。

果たして、テレビはきれいに見られるようになった。NHKや、CNNABCなどのニュースも見られた。既にテレビを購入してから、1年近く経っていた。これで、当初の予定通り、私はニュースを毎日チェックするはずだった。が、人間、なかなか習性は変らないものである。10年以上もテレビを見ない生活をしてきた私が、テレビが見られるようになったからといって、いきなり見るようにはならない。仕事から帰ってくれば、ゆっくりしたい。静寂を好む私にとって、テレビからの音は騒音以外の何者でもない。テレビで情報を仕入れるより、音楽を聴いたり、本を読むほうがいい。その行動パターンは見事に変ることがなかった。

そして、数日前久しぶりにテレビをつけてみれば、何もつかないようになっていた。そういえば、契約してから1ヶ月以上経っている。毎月の使用料を払うのを忘れていたらしい。しかし、この1ヶ月でテレビをどれだけ利用したことだろう。これからも私は、大して見もしないテレビのために、毎月使用料を払い続けるのだろうか。

私にとって、何とも高い買い物になってしまったテレビ。やはり、ものを買うときは、普通皆持っているからとかいうのではなく、自分の行動や性格を考え、慎重にするべきだ、と思った。

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