2013年8月10日土曜日

人生がときめく片づけの魔法(近藤麻理恵)



特別片づけに困っているわけではないが、あまりの評判に手に取ってみたこの本。なかなか良かった。私は片付けが特別できるほうでも、できないほうでもなく、片付けは特別な関心事ではなかった。今まで収納のハウツーものなどはほとんど読んだことがないので、他の本との比較はできない。しかし、この本でいいのは、収納の技術や整理整頓の極意を教えてくれるというよりも、ものに対する考え方や片づけをする心理的素地を作ってくれることだ。


私にも結構捨てられないものは多く、長く眠ったままになっている本や服はたくさんある。使わないとわかっていても、物を無駄にするようで、なかなか捨てられない。しかし、この本はそんな「もったいない」という考え方を根本的から変えてくれる。モノは持ち主の役に立ちたいと思っている。使わずにもっているのは、モノを牢獄に閉じ込めているのと同じ。モノの本当の役割を考えて、役目を終えたモノたちは解放してあげる。幸せになるために、ときめくモノだけを手元に残す。この本に書かれているのは、片づけの技術ではなく、そうしたモノとの向き合い方だ。

実際、このこんまり流片付け方法に従って、まとめて捨て、片づける、ということはまだ実践していない。しかし、この本を読んでから、捨てることについての罪悪感がなくなった。そして、買うときも、値段などよりも、それが自分をときめかせてくれるか、考えるようになった。ある意味で、この本は、片付け以上の本だ。この本が教えてくれるのは、自分を囲むモノたちとちゃんと向き合い、幸せになる方法。この貴重な考え方を教えてくれたという点で、この本に出会えてよかったと思う。

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