2014年2月21日金曜日

いつもひとりで(阿川佐和子)


日常のものやそれとなく思い出したものを題材に綴った、エッセイ集。阿川佐和子さんといえば、文学人の娘であり、テレビや雑誌でも活躍中の有名人だが、読みやすく、庶民的でとても感じがいい。「この人私と感覚が似てる!」「この人と話してみたら楽しいだろうな」と一読者の私がつい思ってしまうのが、エッセイ作家としての力量なのかもしれない。

読んでいて、何となく向田邦子と通じるものがある。勿論、時代が違うし、時代の変化に伴い文章(例えば言い回しなども)多少違うのだが、全体としてのやさしく、庶民的な雰囲気が似ている。両方とも才気ある美人で、しかも結婚していないというのも何となくだぶる。向田邦子と阿川佐和子が対談していたら面白いのに、と思うが残念ながら時代が違う。

それにしても、どれもさらりと書いてあるせいか、「こんなエッセイだったら私も書ける!」と思ってしまうのだが(図々しくてすみません)、私にもエッセイ書かせてくれないかな。無理か。ある程度の有名人が書くから日常の題材でも受けるのであって、一般人が日常を綴っても面白くもなんともない。

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