2014年1月18日土曜日

世界の子供の幸せと学校の成績



Facebookで面白い記事を発見した。子供の幸せと、各国の子供のテストの成績を比較し、相関図で表したものである。幸せ度は、子供が「学校は楽しいか」という質問に対して賛成した生徒の割合らしい。



http://www.buzzfeed.com/jakel11/where-in-the-world-you-can-find-the-best-schools-and-the-hap



結果は、東アジア諸国が成績ではトップを独占、ただし幸せ度では、かなりばらつきが出た。日本は、世界的に見れば成績はトップクラス、ただし東アジア諸国の中では最下位、幸せ度は平均よりちょっといい。対して日本よりも多少成績のよい韓国の子供は世界で一番不幸のようだ。中国系(マカオ、香港、台湾、中国本土)はどれも日本よりも多少成績がよく、幸せ度はまあまあ。成績・幸せ度共にトップクラスなのがシンガポールだ。

一方、成績も幸せ度も平均以下という残念な結果になったのが、東欧諸国。南アメリカ、中東も概して成績は悪い。成績も幸せ度もまあまあの西欧諸国、対して成績は悪いが、とりあえず子供は幸せという結果になったのは、東南アジア、中南米の国々だ。特に、成績は最悪、でも世界一子供が学校で幸せなのがインドネシアだ。これにはとても納得。

研究手法が適切か、データがどれほど信用できるものかという学術的な議論はさておき、なかなか信憑性があると思ってしまったのは私だけだろうか。さらに、この調査に対する各国からの反応が面白い。Facebookなので、私が見られるのは、私の知人・友人のコメントのみだが、まず、インドネシアの知人たち。

「ハハハ!まあいいんじゃない?子供はハッピーが一番!」
「馬鹿でハッピー、まさに子供そのもの!」
確かにね。でも、成績のほう、もうちょっとどうにかしたほうがいいんじゃないかなあ。

以前、環境教育のプロジェクトで、西バリにある小学校を何度か訪ねたことがある。学校によってかなり違ったが、ひどい学校では平日だというのに、いつも子供が遊んでいる。まともに授業を受けているのを見た例がなかった。図書館は?と聞けば、鍵がついた小さな倉庫みたいなところに案内された。そこには教科書がいくつか並べていたが、日本でいう、「図書館」のイメージとはだいぶ違う。部屋には鍵がかけられていたが、そうしないと本(といっても教科書だけ)が盗まれてしまうそうだ。人数も多いため、午前・午後で分ける学校も多い。朝から晩まで勉強漬け、そのストレスで自殺が後を絶たないような中国の子供たちとは、勉強時間もプレッシャーも違って当たり前だろう。

世界中で学校で子供が一番不幸だと示された韓国。韓国人の知人は「やっぱりな」とばかりの反応だ。「シンガポールや台湾も韓国と似たようなものだと思ってたけど違うのか・・・。」今や韓国の芸能はアジアを席巻し、サムスンやLGは世界の電機業界を牽引する名だたる大企業となった。なのに自国の未来に悲観気味。よほどストレスが多いらしい。

残念ながらシンガポールの友人の反応は聞けなかった。しかし、「シンガポールは狭い。だから本当にストレスが多い国なんだ」と、ことあるごとに言っていた元同級生の言葉を思い出す。彼がこれを見たら相当驚くのではないか。

そして、成績・幸福度ともに平均以下のアメリカ。先進国の中では最悪の成績だ。アメリカ人の友人は、「別に驚かない。うちの国の教育システムは崩壊してるよ。」アメリカは、教育の幅が広い。いい学校はものすごくよく、才能のある子はぐんぐん優遇される。一方で、世界地図で自分の国がどこかもわからない高校生も多いという。どちらが北か、南かさえも・・・。

日本の位置は世界ではまずまずといったところだ。ただ、日本のいいところは、他の国に比べて地域や経済所得によって教育レベルにそこまで差がないことだと思う。もちろん、かなりの差はある。ただ、私の感じる限り、アメリカやインドネシア、中国とは比べ物にならない。田舎に生まれたというだけでまともな教育が受けられなかった、ということは少なくともないだろうから。

ただ、世界ではトップクラスとはいえ、東アジアで成績が最下位は少しさみしい。多分ゆとり教育で成績は多少下がったと思うが、どうやら、この調査によると、成績と幸福度の相関関係はないみたいなので、幸福度を犠牲にしなくても、成績を上げる方法はありそうだ。

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