2013年1月20日日曜日

流星の絆(東野圭吾)


東野圭吾にははずれがない。両親を惨殺された後、肩を寄せ合って生きてきた3兄妹。詐欺師となった兄妹は次なるターゲットを追ううちに、彼と両親の殺人事件を結びつける鍵に気づいてゆく。兄妹は真相を暴こうと罠を張るが――。

Amazonの他の書評を見るとあまり評判が良くないようだが、私は楽しめた。読みやすく、さすが東野圭吾だけあって、ストーリーのテンポが飽きさせない。兄2人が改心して自首、資産家で人柄もいい行成が全てを承知でそれでも妹にプロポーズというのは、あまりにもできすぎで「めでたし、めでたし、チャンチャン♪」というような安っぽいエンディングのような気がしないでもないが、希望がもてる、という意味では後味は悪くない。

しかし、この本の売り文句になっている、「彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった」というのは明らかに内容と違っている。大げさな煽り文句をつけて売ろうというのは理解できるが、明らかに間違った売り文句をつけるのはどうだろう。名前が売れている作家で、ちゃんと質の高い作品なのだから、嘘の煽り文句をつけなくても売れるはず。出版社には、もう少し節操のある売り込みのしかたをしてほしいものだ。

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