2013年1月24日木曜日

セカンドバージン(大石静)


テレビドラマで話題になったというこの話。日本にはいなかったため、テレビドラマは見なかったが、話に聞いて興味を持ち、読んでみた。確かにテレビドラマだったら受けるだろうなと思った。

中年のキャリアウーマンと17歳年下の有能な若者の純愛。それだけで中高年女性には大うけだろう。そして、ドラマチックなストーリー、大げさなまでのユニークなキャラクター、劇的な最後。ドラマだったら単なる娯楽として楽しめたかもしれないが、文章で書かれている小説としては残念な出来だった。私が小説に現実味を求めてしまうせいもあるかもしれないが。

ストーリーがドラマチックな割には描写が乏しく、あっという間に話がとんでいってしまうので、とても話が薄っぺらく感じた。やはり作者は脚本家であって、作家ではないのだな、と思った。ストーリー自体は面白いが、それを生かすだけの文章力がない。それがこの話が所詮フィクションでしかないことを強調させる結果となっている。残念だ。

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